ミニベロブランドやミニベロファンがしまなみ海道に集まり、ツーリングなどを通して交流するイベント「ミニベロツーリングフェス in しまなみ海道Vol.4」が2018年5月19日(土)、20日(日)の2日間開催されました。
2015年5月下旬に開催されたVol.1から数えて第4回を迎えた同イベント。今回はしまなみ海道の島々を巡る1泊2日のツーリングと、瀬戸田サンセットビーチで2日間にわたり開催された試乗会&マルシェの2本立てで実施されました。MINI LOVEではツーリングの全行程に同行してきましたので、レポートをお届けいたします。
サイクリストの聖地をロングライド
1日目の行程は、早朝に尾道駅前の広場に集合後、バスで今治まで移動、糸山公園から生口島の瀬戸田サンセットビーチまでをツールングし、試乗会やマルシェを楽しんで夕方旅館にチェックイン、夕食は大広間で懇親会という予定です。
早朝6時。JR尾道駅前の広場にツーリング参加者が続々と集まってきました。傍には参加者の愛車である、様々なミニベロが。車体はメジャーブランドの定番モデルから珍しい車体まで、まるでミニベロの展示会の様で、みなさんも朝から会話が弾んでいました。

こちらにはTyrellが3台。さり気なくディープにカスタムされている様な…。

CYCLE HEARTは尾道のすぐ東隣、福山が地元のカーボンフレームのミニベロを得意とするブランドだ。

PECOで有名なOXbikesのガゼルにKitt designのガーボンバトンホイールを装着。

折りたたんだ状態もスマートなbirdy。持ちやすいので気軽に何処へでも行けそう。
バイクをトラックに載せてもらい、参加者はチャーターバスへ乗り込みます。バスの中では行程が説明されたり、朝食のお弁当をいただいたりし、周りの方と喋っていたらあっという間に今治に到着しました。
バスが今治の糸山公園に到着。トラックから降ろされたバイクを各々準備します。このイベントでは、自分の所有するバイクを持ち込まなくても出展ブランドの試乗車を期間中レンタルできるため、手ぶらでの参加ができるほか、興味のあるバイクをじっくりツーリングで試乗できる点がありがたいですね。

雑誌編集部の取材チームは記者、カメラマンともPacific Cycle JapanのミニベロロードREACHを借りていた。見るからに速そう。

オプションパーツ、Kitt designのカーボンバトンホイールが装着されたTernのSurge PROを借りていたこちらの方は、プライベートではPROでない方のSurgeに乗られているそう。BESV JAPANの方もブランドに分け隔てなく親切にサポートされていた。
ツーリング出発前に、記念の集合写真を撮影。後ろの橋は、四国本土と大島を結ぶ来島海峡大橋。当日は残念ながら曇り空でしたが、それでも気持ちのいいライドをこの後楽しめました。
しまなみ海道サイクリングのイメージ写真でよく使われる、ループ状の斜路。みなさん楽しそうです。
大島でのライドの前半は、島の中央を縦断する推奨ルートではなく西の海岸線を走ったため、小さな漁港や、来島海峡大橋を望むスポットもありました。推奨ルートから外れたコースを、自分で事前に調べてアレンジしてみるのもいいですね。

折りたたみ時のコンパクト性と走行性能を両立させるCARACLEの、スタッフのみなさんがSNS用?に撮影されていた様子がお茶目で、思わずこちらもパチリ。
青山石工房「石・今昔ギャラリー」で小休止。濃い味の新鮮なミニトマトでリフレッシュしました。
峠を越えて坂を下ると島の東側へ。対岸は鵜島、その左手前には能島が。
ツーリングでは、他の方の通行の邪魔にならない場所で所々停まり、ガイドを聞きながら風景を楽しみました。写真は伯方・大島大橋から望む伯方島と、その奥に大三島。
伯方島に上陸した一行は、道の駅 伯方S・Cパーク(愛称 マリンオアシスはかた)で休憩。お約束の、伯方の塩ソフトクリームのほか、じゃこ天やしまなみ特製塩ラーメンなども有名です。

島内の一般道と、しまなみ海道の各橋梁との間には、専用の自転車道(自動二輪との併用区間あり)が用意されている。橋の高さまで上るのは一見大変そうだが、比較的緩やかな勾配で整備されているため、初心者でも問題ない。

スタンドをつけていないバイクはバイクラックへ。birdyには大きく、MonocoqueとClassicの2種類のフレームがある。

Tartarugaのバイクで参加のみなさんは、要所要所で記念撮影。

NAGI BIKEやサイクルハウス しぶやのロゴも入った “おのたび” 特製サイクルジャージ。背中の橋のイラストが素敵すぎる! “おのたび” は尾道の旅の略で、尾道観光協会が運営する「おのなび旅行社」が責任を持って紹介するツーアーブランド。
住宅街の中に突如巨大な船が!ブルーラインから1本外れるだけでこんな面白いスポットに出会えるのも、尾道観光協会のガイドのお陰。多くの方が撮影されていました。
伯方島と大三島を結ぶ大三島橋。終始みなさんきちんと車列を守って、安全に走行されていました。
向こうに見えるのは大三島と生口島を結ぶ多々羅大橋。多々羅大橋のすぐ手前には、あの有名な「サイクリストの聖地」記念碑がある、道の駅 多々羅しまなみ公園があります。
多々羅しまなみ公園でも、みなさん思い思いに記念撮影。Tartarugaのみなさん、こちらでも仲良く撮られてますね〜。
道の駅では、地元のお酒を真剣に品定めをする方も。
しまなみ海道最大の撮影スポットとも言える「サイクリストの聖地」記念碑前で記念の集合写真。
いよいよ多々羅大橋を渡って、本日の目的地、生口島へ。橋の上で、愛媛県から広島県に入りました。
橋の前後には、傾斜を緩やかにしたアプローチ道が整備されています。海を越えるたびに橋の上まで上って下りる。このリズムがしまなみ海道のサイクリングです。
アプローチ道の急な下りカーブには協賛企業名入りのセーフティーマットが設置されています。そしてこちらには「birdy」のマットが!birdyユーザーの方々がバイクを並べて、記念撮影。この場所はbirdyの「聖地の聖地」と名付けられました!

しまなみ海道自転車道利用促進協議会によるこの協賛企業名を入れたセーフティーマット設置の取り組みは、しまなみ海道自転車道の橋梁区間の通行料金の無料化などにも貢献している。詳しくはこちら。
ツアーにはサポートカーやメカニックが付き、まったくの初心者でも安心して参加できるプランになっています。また写真の様に要所要所にはスタッフが立ち、車の往来の確認や正しいルートへの誘導など、しっかりとしたサポート体制で運営されていました。
ちょうど昼頃、本日のツーリングのゴール地点、生口島の瀬戸田サンセットビーチに到着しました。無事故無違反、機材トラブルも特になく安全に楽しめたのは、参加者のマナーと、主催者の運営のお陰ですね。その後、昼食をいただいて試乗会やマルシェのブースを楽しみました。

ツーリング参加者にはマルシェなどで使えるチケットも配布された。黒のポロシャツにサングラスの方が、今回のイベントの実施に向けて最も尽力されたファビタの渋谷氏。birdy、REACH、CarryMe、IFmoveといった自社の取り扱いブランドだけでなく、ミニベロ全体をもっと盛り上げようと業界の中でも呼びかけている。
試乗会&マルシェと、旅館つつ井での休息
ツーリングのゴール地点、生口島の瀬戸田サンセットビーチでは、試乗会&マルシェが2日間を通して開催されていました。十数ものミニベロブランドがブース出展するイベントは、大規模なイベントでもそうそう無いこと。新しくて珍しいブランドも出展していて、ミニベロファンにとってはたまらない空間です。

MCとして会場を盛り上げておられたのは、FM東広島のパーソナリティー 上野奈苗さん。地域力の維持・強化を目的とした「東広島市河内町地域おこし協力隊」などでも活躍されている上野さんは、偶然にもTernのミニベロユーザーだった。Ternを選んだ動機は「自分の車の特徴的な色と全く同じ色だったから」。(写真の車体はDAHONの試乗車)
birdyのブースではタイヤ、チューブ、パンク修理キット、ケーブル類などの消耗パーツを気軽に購入できる「Club Birdy Aid Station」の、しまなみ海道沿い17スポットの紹介や、オリジナルグッズの販売などもされていました。
試乗コースとなったビーチ沿いは、まるで海外の様です。

TernのハイスペックなプレミアムeBike Vektron S10(左)と、本体重量6.97kgという軽量さを実現したDAHONのDove Plus。
広島県警察のサイクルポリスも登場!自転車の速さはタイヤのサイズではなくギア比によって決まるので、ストップ&ゴーや小回りの得意なミニベロは街なかでのパトロールや駆けつけにも有利ですね。

愛媛、愛知、神奈川に続き4例目となった広島県のサイクルポリスだが、地元メーカーの自転車を採用したのは全国で初めて。広島県警察 尾道警察署のサイクルポリス専用車両に採用されたNAGI BIKEのNS451-S<ポリスタイプ>はNS451-Sのスペックや取り回しの良さはそのままに、カラーリングや仕様をサイクルポリス専用にカスタマイズしたスペシャルモデル。参考Link → CYCLE MODE international 2017 ミニベロ関連製品まとめReport
夕方に近づくにつれ、晴れ間が出てきました。

バイクパーツの製造や販売で長い実績のあるデイトナが作った、電動アシストに全く見えない電動アシスト付きのフォールディングバイク Daytona PotteringBike。
マルシェではオーガニックな食材から雑貨まで、せとうちのこだわりの品々が集まっていました。

手作りの「YATAI」で地域×人×生産者の繋がりをつくるチーム「34 YATAI」によるカフェでは、三次産の濃い大人のゆずジュースや、東広島産の健康志向のぶどう酢ソーダを提供。繭の糸取体験のワークショップなどもされていました。
宿泊は瀬戸田港の真ん前に佇む、4階建の旅館つつ井。建物の外観は昭和レトロな雰囲気ですが、中は現代的にセンス良くリニューアルされたばかりで、中に入ってびっくり。
宴会場で懇親会を兼ねた夕食が始まりました。今治からのツーリング参加者や瀬戸田サンセットビーチの試乗会にブース出展していたスタッフなど約60名が参加し、旬の食材を生かした料理の品々を堪能しました。
生口島をぐるっと一周ツーリング
2日目はツーリング参加者の中から希望者のみで、生口島を反時計回りに一周。距離は23km程度ですが、多くの見所を尾道観光協会の石原さんにご案内いただき、みなさんワイワイと楽しまれていました。
生口島一周ツーリング、出発は瀬戸田サンセットビーチから。注意事項や行程の説明があり、いよいよ出発です。
ルートは反時計回りの一周。昨日渡った多々羅大橋の方に向かい、そのまま橋の下を通過して更に生口島を南下します。推奨ルートを示すブルーラインと、青い空と、青い海。そして美しい橋のある風景を見て、しまなみ海道に来たんだなぁ〜という実感が湧きます。

ブルーラインの青色は、しまなみ海道を象徴する色として「しまなみブルー」が採用されている。細かな粒状の突起により滑り止め効果のある舗装がされており、通常の道路区画線と比べ,濡れた状態でも非常に滑りにくくなっている。推奨ルートが分かりやすく案内されていることに加え、車道を走行する自転車利用者に対し左側走行を促すとともに、自動車運転者に対して自転車への注意を喚起してくれる。
多々羅大橋の下を通過してすぐ、ブルーラインから逸れて脇道へ入りました。美しい景色が広がっている所だからだと思ったら、何やらある様です。実はこちらにあるのは、アートのオブジェ。生口島全体が美術館というコンセプトで、著名な美術評論家が推薦した作家に野外彫刻を設置してもらっている「島ごと美術館」の作品の一つでした。

生口島の最南端にあるこちらの作品は、現代美術家 海老塚耕一氏の “空/海 YURAGI” という作品。「島ごと美術館」の作品は17点。いずれも作家が自ら作品を設置する場所を選んで、その場所に合ったものを作品として表現する「生口島でしか成立しない」現代アートだ。
少し移動して「島ごと美術館」次の作品へ。フォトジェニックなロケーションにみなさんノリノリで、次々と撮影されていました。
島をぐるっと周ってくると、因島と生口島を結ぶ生口橋が見えてきました。生口島は、平山郁夫美術館や耕三寺、先ほど触れた野外彫刻作品が点在する島ごと美術館など、歴史と文化の香りにあふれている、観光スポットの多い島です。瀬戸内しまなみ海道の通る6つの島のうちほぼ中央に位置する島で、隣の高根島との間の生口瀬戸に古くから栄えた港、瀬戸田が広く知られていおり、瀬戸田が島の代名詞にもなっています。また生口島は、国産レモン発祥の地、レモン生産量日本一であり、全国有数の柑橘類の産地となっています。
しまなみサイクリングではお約束のジェラート専門店 ドルチェの瀬戸田本店が見えてきた…と思ったら、そのすぐ手前でルートを逸れて、その裏手にある尾道市瀬戸田B&G海洋センターへ。後ろに展示されている文化船ひまわりについて石原さんが解説しています。

「文化船ひまわり」は、国内唯一の移動図書館船として1960~80年代、瀬戸内海の島々を巡り島民に愛された船。「存在を忘れられ、一度は壊されそうになった船の文化的価値を多くの人に見直してほしい」と、児童文学作家などを中心とした尾道市の有志らが永久保存に向けて活動されている。
海洋センター前の芝生にも「島ごと美術館」の作品が。
ジェラート専門店 ドルチェの瀬戸田本店に到着しました。

しまなみ海道を走るサイクリストは素通りするわけにはいかないほど、同店はあまりにも有名。この季節は一番人気の伯方の塩ジェラートのほか、瀬戸田のレモン、瀬戸田のデコみかん、尾道のいちじく、尾道の桃などがプッシュされていた。

石原さんは、尾道産の桃果肉がたっぷりで、桃の風味を活かした優しい甘さが特徴の「尾道の桃」と、塩味がするかとおもいきやかなり甘い、逆に甘さが引き立っている「伯方の塩」のダブルをチョイス。すぐ前に海の見えるウッドデッキでもジェラートをゆっくりいただける。
この後は瀬戸田サンセットビーチまで一直線!と思ったら、平山郁夫美術館の向かいにある尾道観光協会 瀬戸田支部の大きな看板に描かれた「ミニベロツーリングフェス in しまなみ海道」のイベント告知を見たり、ブルーラインから外れて山手に向かい柑橘畑の中を走ったりと、恐るべし尾道観光協会の石原さんの手を抜かないガイド!2日目のこの生口島ぐるっと一周ツーリングに参加した35名ほどのみなさんは、島を堪能できて大満足だったのではないでしょうか。
しまなみ海道でのガイド依頼は、尾道観光協会の旅行業部門「おのなび旅行社」までお問い合わせを。

自由に書き込める黒板なので、「ミニベロツーリングフェス」の文字の上に小学校の運動会の文字が。実はこの日、この観光協会の隣にある瀬戸田小学校で運動会が行われていて、後から書き足されたそう。ミニベロツーリングフェスが運動会のメニューみたいで、みんなで大ウケしていた。
楽しい思い出とともに帰路へ
いよいよ生口島を離れます。が、イベントのお楽しみはまだまだ残されていました。まずはここ瀬戸田サンセットビーチから尾道駅前まで、ツーリング参加者はチャーターされたクルーズ船で移動します。
デッキでは協賛ブランドのオリジナルグッズが当たるジャンケン大会のほか、最後の集合写真の撮影なども。

子どもが喜びそうなこのバイキングA号は、チャーター以外でも利用できる。
クルーズ船の次はサイクルトレイン。東京発着プラン参加者が尾道駅から岡山駅まで乗車したサイクルトレインは、観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」。特設サイトでは列車の詳しい情報や、利用者が自分で投稿できるフォトギャラリーなども用意されています。
お洒落な列車だなぁ〜となんとなく眺めていたこちらのアイテムは、後ほど使うものでした。
バイクは折りたたんで持ち込むほか、仮設のバイクラックも用意されていました。
いよいよお別れ。JRのみなさん、主催の渋谷さん、石原さんらが見送ってくださりました。お世話になりました。またお会いしましょう!
車内ではインスタントカメラ チェキでの記念撮影のサービスがありました。先ほどの写真のアイテムをこちらで使用します。
こちらのカウンターでは、車内販売の記念グッズ、お土産、お弁当、ドリンクなどをご用意しています。
取材の締めくくりはこちらのドリンクで。この素晴らしいイベントが今後も開催されることを願って、今回のレポートを終わります。また来年、お会いしましょう。
開催概要
名 称:ミニベロツーリングフェス in しまなみ海道Vol.4
日 程:2018年5月19日(土)・20日(日)
出展者:有限会社 アイヴ エモーション ( Tyrell )
株式会社 アキボウ ( DAHON , Tern )
アンデックス 株式会社 ( NAGI )
有限会社 タルタルーガ ( Tartaruga )
株式会社 デイトナ ( Daytona PotteringBike )
株式会社 ファビタ ( birdy , REACH , CarryMe )
サイクルハート ( SPARTAN )
株式会社 BES V JAPAN ( BESV )
株式会社 桑原インターナショナル(UPON他)
有限会社 SAKOH ( RINDOW)
株式会社 ダートフリーク(ヨツバサイクル)
株式会社 テック・ワン( CARACLE )
ジック株式会社( LIGHT SERIES , TRANS MOBILLY )
株式会社イルカ( iruka )
株式会社東商会( MASI )
主 催:ミニベロツーリングフェスinしまなみ海道 実行委員会
・アンデックス 株式会社
・一般社団法人 尾道観光協会(おのなび旅行社)
・有限会社 アイヴエモーション
・株式会社 ファビタ
後 援:広島県、愛媛県、尾道市、今治市、一般社団法人 尾道観光協会(おのなび旅行社)
協 賛:瀬戸田サンセットビーチ