CarryMe(キャリーミー)のユーザー同士で繋がるFacebookページ「CarryMe in Japan」主催のユーザーミーティング「Carryme-Day in UENO 6th」が2019年6月2日(日)に都内で開催されました。前回までに神保町・パレス方面、浅草・両国方面、佃島方面などへのポタリングを実施し、第6回を迎えた今回は、谷中・王子・赤羽方面への約15kmの小旅行。当日はあいにくの曇り空でしたが、鉄分多めの面白いポタリングになりました。
メーカー、輸入代理店、サイクルショップなどが主催する車種限定イベント、ライドイベントなどはよくありますが、今回取材した「Carryme-Day」は非商用の純粋に趣味のユーザーグループによる主催で、全てを手作りで運営。CarryMe自体のゆるいイメージもあり、アットホームで素敵なイベントになりました。
*Link → 開催告知記事
集合は上野恩賜公園の西郷隆盛銅像前広場。集合は10時でしたが、9時過ぎには徐々にメンバーが集まり出し、久しぶりの再会や、お互いの車体を見ながらの自転車談義に花が咲きました。
参加者の中には、リュックタイプの輪行袋を背負って到着された方も。こんなに細長くなれば、列車の中へも気軽に持ち込めそうですね。
ちなみに今回MINI LOVEはPacific Cycles Japanに同行取材用の車体をお借りしたのですが、ビジネスホテルの狭い部屋に置いても全く邪魔になりませんでした。

CarryMeはミニベロ(小径車)の中でもタイヤ(ホイール)のサイズが非常に小さい極小径車と呼ばれる部類に属し、折りたたんだ際の接地面積はA4用紙サイズに収まる。折りたたみも一度すれば簡単、スピーディーなので、縦長ロッカーに入れたり、車のトランクに積んだり、気軽にゴルフバック感覚で持つこともできる。写真のお借りした車体は、パンク知らずのソリッドタイヤ仕様。
可愛らしいルックスのCarryMeですが、よく見るとカスタムされた車体が多数。全部同じはずなのに、同じ車体は一つも無いのでは?といった様子でした。
集合時間には33台のCarryMeが集合。リーダーから挨拶やルートの説明などがありました。よく見るとリーダーは、MINI LOVEで昨年開催したカスタムバイクコンテストで「Pacific Cycle Japan / CarryMe賞」に輝き、サイクルモード 2018のミニベロカスタムギャラリーで「三ヶ島製作所 / MKSペダル賞」も受賞されたノハラボさん。Facebookページ「CarryMe in Japan」の日頃の運営から、イベントの企画運営まで、グループの中心になって動かれています。
昨年CarryMeで富士山登頂を成し遂げられた福助さんには、CarryMeのポテンシャルを広くアピールされたことに感謝を示し表彰も行われました。

実はこの福助さんはCarryMeで大阪→東京チャレンジライド(キャノンボールと呼ばれることが多い)を箱根越えルートで完走された方でもある。CarryMeでの大阪東京間完走については、箱根回避ルートでより短い時間で完走された方も他におられるようだ。CarryMeでというところは驚きだが、車体イメージを覆すところに熱を注ぐのは、ミニベロマニア全体にも通じるものがある。
集合場所の上野恩賜公園のほか、ポタリングの途中でも何度か車体を並べて集合写真を撮りました。30台を超える車体を並べると1枚の写真に収めにくいものの、CarryMeは基本的に同じ形状なので、ずらっと並べられた様子は見応え抜群。
遠くにスカイツリーを望む、集合場所の裏手でも撮影。曇っていたのが唯一残念ですが、数日前まで予報で出ていた雨マークが無くなったので良かったです。
後ろ揃えで綺麗に並べると、何やら違和感を感じます。なんと!メインフレームを延長させ、ホイールベースを長くしたCarryMeが!しかもバーテープやサドルまで、全てがシルバーメタリックでピカピカに統一されています。ほかにもディープなカスタムをされている方はおられましたよ。(恐るべしキャリミストたちのマニアック度)
あまりの楽しさに出発が遅れましたが、ようやくポタリングにスタートです。自由参加のライドには31台のCarryMeが参加しました。カエルの噴水を抜け動物園通りを北上すると、頭上にちょうど上野動物園モノレールが!今回のポタリングは鉄道関連施設巡りもテーマの一つでしたが、いきなり鉄分に触れられてテンションが上がります。
一行は昭和の風景を色濃く残すレトロな街並みの谷中銀座を抜け、「へび道」へ。右へ左へクネクネと十数回にわたり蛇行している細い路地で、藍染川という川の跡だそうです(現在は生活道の下に暗渠として流れています)。30台もの車列で目立つだけでなく、CarryMe自体も一般の方には見慣れない自転車なので、あちこちで注目を浴び「可愛い!」「凄い!」という声が聞こえました。
西日暮里駅の近くでは細くて急な上り坂が。上れないことはないものの、ゆっくり歩いて景色を楽しみました。
坂を上ると新幹線E5系が。その後、田端駅前を通過し尾久車両センターの間を抜け、「タイムカプセル平成ロード」という地下道で次の集合写真を撮りました。
都電荒川線の踏切を越え、「都電おもいで広場」もある都電荒川車庫前へ。この一帯は鉄道関連施設がたくさんあり、鉄道マニアには良さそうなエリアですね。車庫の横でも撮影会が始まりました。
区立公園の壁泉の前でもCarryMeを並べました。(ホイールサイズの長い車体は本当にギリギリでしたが)石段のベンチにCarryMeをジャストサイズで立てることができ、しかも台数分ちょうどという偶然も!ルートの下見に尽力されたリーダーには頭が下がります。
王子駅を超え、北区立 名主の滝公園を見学します。武蔵野台地の突端である王子近辺には滝が多く、かつて「王子七滝」と呼ばれる7つの滝があったそう。このうち「名主の滝」だけが唯一現存する滝となっています。樹木に囲まれた公園の中は空気が澄み、涼むことができました。

都内でも有数の8mの落差を誇る男滝(おだき)の前で、CarryMeと記念撮影するリーダー。…ではなく、公園内は車両乗入れ禁止のため、原寸大にプリントしたCarryMeを透明シートに貼り付けたアイテムをリーダーが自作して持ってきてくれていた。参加者へのネタの提供、気配りが半端ない。
東十条駅、赤羽駅を通過し、メロン・ドゥ・メロン 赤羽店へ寄り道。外はサクサク、中はふわふわでしっとりしたメロンパンをいただいて、小腹を満たします。
お店はちょうどこの辺り。あらかじめ設定したルートと現在地が分かるルートラボは、サイクリングで重宝しますね。

*Link → 今回巡ったルート
お店を出て走り出すと、ほどなくして荒川河川敷に到着。荒川サイクリングロードではお馴染みの、岩淵水門が見えてきました。
防災用ヘリポートの横で最後の記念撮影をし、「Carryme-Day in UENO 6th」は終了しました。あっという間の数時間。走行距離は控えめながらも、その分様々なところに立ち寄り、移動時間よりも遊びの時間の方が長かったかも!というライドでした。それこそが本来のポタリング(自転車散歩)であり、数あるミニベロの中でもひときわ街に優しい自転車と言えるCarryMeらしい乗り方なのかもしれません。
直径わずか約20cmの小さなタイヤ(8inchサイズ)とカラフルなフレームが特徴のCarryMe。車道をスイスイ走ることもできますが、人の行き交う路地では徒歩程度にまでスピードを落として徐行したり、押し歩いても絵になる自転車です。何より、見た目が可愛らしく威圧感がゼロなので、車列を見る通行人も皆さん笑顔。とても街に優しい自転車だと感じました。また、ユーザーの皆さんもCarryMeのそんな性格を反映してか?安全面を含めみんなで協力してイベントを運営している雰囲気が伝わってきて、こちらまでほっこり。とても素敵なイベント、そしてグループの皆さんでした。

参加賞でいただいたGREEN LABEL(ブリヂストンサイクル)のマグカップ。リーダーがわざわざ参加者のために人数分の様々なグッズを持ってきてくれていた。(さっそく自宅で使わせていただいています)