車や公共交通機関を利用して遠出したり、自宅や職場といった屋内で保管したりと、手軽にコンパクトにできるフォールディングバイク(折りたたみ自転車)は何かと便利。慣れたユーザーは更に便利に使えるよう、目的や使用シーンに応じてパーツを交換しています。そんなパーツの中で、気軽に交換できてとても便利になるアイテムとして、今回は脱着式ペダルをご紹介いたします。ぜひご覧ください。【各画像クリックで拡大】

今回の記事ではMKS(三ヶ島製作所)のペダルを使用しています。三ヶ島製作所はメイド・イン・ジャパンならではの高品質なプロダクトを展開する、ミニベロユーザーにとって避けては通れないペダルメーカーです。
ペダルの違いが何に影響するのか?
一般の方はペダルの種類を気にすることはないと思いますが、何かと便利なフォールディングバイクに乗る皆さんにとってはとても大切なアイテムです。下では事例として、盗難防止や汚れ対策に屋内保管をする場合と、折りたたんで公共交通機関を利用する場合(輪行)を挙げてみました。たかがペダルひとつですが、実は大変な違いがあります。
まずこちらは屋内保管の場合。趣味のスペースを広く確保できている方は別ですが、一般的には生活の邪魔にならないようにコンパクトに収納することが求められます。写真は、サッと取り外せる脱着式ペダルだからこそ、毎日使う自転車でも苦にならずに省スペースを実現できている例です。
そしてこちらは輪行シーン。日本の多くの公共交通機関では、他のお客様への配慮として専用の袋に入れることが義務づけられています。チェーン油による汚れ防止などには有効ですが、未使用時の持ち運びを重視した輪行袋は生地が薄く、もし人に当たったら怪我をさせてしまうかも。自転車を折りたたんだ状態でもペダルは尖っていてとても危険です。

真上から見ていないので分かり辛いですが、実はペダルだけとても突出しています(破線部分)。ペダルの有無に関わらず、人の多い街なかの駅や急いで改札機を抜ける際などは特に気を遣いますが、鋭利に尖っている分、ペダルも大きな心配要素となります。
ペダルにはどういうタイプのものがあるのか?
自転車をコンパクトにするためのペダルの説明として、3種類のタイプのペダルをご紹介します。
まずは、単純軸構造のペダルです。シティサイクル(いわゆるママチャリ、軽快車)をはじめとして多くの自転車に装着されている工具で脱着するこのタイプのペダルは、ペダルのネジの部分をクランクのネジの部分に差し込むだけ。シンプルな構造ですが、他のタイプのものを知ってしまうとフォールディングバイク向きとは言い難いかも…。
こちらは、折りたたみペダルです。ワンプッシュで折りたたみや展開ができるので、とっても便利。知らない人が見たら一度は驚いてくれます。ただ、便利な機構ではあるのですが、脱着式と比較したらどうでしょうか…。

折りたたんだ状態がこちら。工具も不要で、ワンプッシュ。凄い!ただ、厳密に言うとその構造上、一体式のものに比べて強度が落ちると言わざるを得ません。自転車に乗る際に荷重のかかる部分なので、不安が残る方もおられるかも。また、シンプルな構造のものに比べ、どうしても重くなってしまいます。自転車を折りたたんで持ち運ぶことの多いフォールディングバイクでは軽さが重要なので、その点では若干不利となります。無くしたり忘れたりしないしない点は良いと思いますけどね。
そしてこちらが今回の主役、MKS脱着式ペダルです。ワンプッシュで手軽に脱着でき、尚かつ強い。いいこと尽くめの優等生です。

MKSオリジナルの簡単脱着機構Ezyシステムにより、工具不要で簡単容易に脱着が可能です。脱着しない折りたたみペダルの方が気楽でいい、という方もおられると思いますが、突き詰めればフォールディングバイクに最適なのはこちらですね。
MKS脱着式ペダルの2種のシリーズ
MKSの脱着式ペダルには機構の違いにより「Ezy」シリーズと「Ezy Superior」シリーズの2種類のシリーズがラインナップされています。お互い互換性はありませんが、予めクランクに専用アダプターを装着しておくことでペダルを簡単に脱着できる仕組みになっています。
アダプターの取り付け

クランクのネジ部を綺麗にしたうえでグリスを塗布し、アダプターをねじ込みます。ある程度差し込んだら、しっかり締め付けるためにペダルスパナを使用します(写真では別売りのMKSペダルスパナを使用しています)。
Ezyシリーズペダルの取り付け
Ezy Superiorシリーズペダルの取り付け
ペダルのより詳しい取り付け方はYouTubeでも動画が公開されています。
今回の記事では、Ezyペダルは「Compact Ezy」、Ezy Superiorペダルは「TOURING-LITE Ezy Superior(Black)」という製品を使用しました。各製品の箱の中には、それぞれ以下のパーツが同梱されています。

軽量&薄型ボディ、CNC機械加工の押出アルミワンピースボディのCompact Ezyには、左右のペダルボディとEzyアダプター、Ezyストッパー、クランクスペーサーが袋とともに同梱されています。(なお、Ezyアダプター、Ezyストッパー、クランクスペーサーがセットになったEzyアダプターセットも単体で販売されているとともに、アダプターセットなしでのご注文も可能となっています。複数の車体に装着する場合にも無駄無く買い足せて便利ですね。)

回転機構部まで研磨を施し、さらには高精度ボールベアリングを採用している高回転性能ハイスペックモデルのTOURING-LITE Ezy Superior。シルバーとブラックのカラーラインナップのうち、今回はブラックを使用しました。
国内唯一のペダル専門メーカーMKS 〜三ヶ島製作所〜 とは
1943年の創業当初は航空機向け部品製造を行っていた同社は、第二次大戦後の1946年より自転車ペダル製造に転進し、日本の自転車製造業の一角を担ってきました。日本国内で唯一のペダル専門メーカーとして全競輪選手約2,400人(2016年末現在)の足元を支えるNJS認定ペダルを作ることでも知られており、100%日本国内生産にこだわるその品質の高さはエンドユーザーからプロショップ、様々な自転車メーカーにまで信頼されています。

耐衝撃・耐食性に強いアルミボディ:MKSペダルに使用されるアルミダイキャストボディは全て「ADC6」という素材を採用。 アルミダイキャストの生産量のうち、およそ90%以上(ほとんどが自動車部品)といわれている一般材「ADC12」と比べ、成型が難しく高い技術を要しますが、耐衝撃性・耐食性に優れています。そのため、MKSペダルは壊れにくく丈夫なボディとなっています。(写真提供:三ヶ島製作所)

プロ競輪選手の足元を支える唯一のメーカー:日本の競輪は、主催する公益財団法人が定めた厳しい基準をクリアし「NJS認定」を受けた部品しか使用することができません。競輪用自転車ペダルに認定されているのは現在、三ヶ島製作所・MKSペダルのみ。約2,400人(2016年末現在)すべてのプロ競輪選手の足元をMKSペダルが支えています。(写真提供:三ヶ島製作所)

創業65年以上・培われてきた組立技術:1949年からペダルを作り続けてきた三ヶ島製作所・MKSペダルは、積み重ねてきた技術で今もなお日本生産にこだわっています。NJS認定の最高級品はひとつひとつ手で組みたてられ、100分の3mmまでの極薄スペーサーを使用して調整、どこまでも廻る回転性能を実現しています。また、他の製品においては、自社開発の専用組立機を使用し、自動でグリス注入や構成部品の組みつけを行っています。徹底した制御で安定したペダルを作り、最後はもちろん人の手でひとつひとつ調整・検品を行っています。(写真提供:三ヶ島製作所)
豊富なラインナップ
MKSでは今回紹介したEzyシリーズで8種類、Ezy Superiorシリーズで9種類のペダルをラインナップするとともに、またその他に折りたたみペダル、単純軸構造のMTB用、一輪車用、レース用、競輪(NJS)認定品をはじめとする様々な製品をご用意しています。
Ezyシリーズ
Ezy Superiorシリーズ
今回はフォールディングバイクユーザーの皆さんに向けて、気軽に交換できてとても便利になるアイテムとして、MKSの脱着式ペダルをご紹介いたしました。カスタムの第一歩としてのペダルの交換。ぜひ一度ご検討ください。